先日、中国製の純正部品が不具合やリコールの原因となっている記事を書きましたが、正規の純正部品でさえ、中国製の部品は不良率が非常に高いのが現実です。
それに加え、近年では非正規純正部品、つまり偽物の純正部品も増えており、自動車業界で問題になっています。
世界の工場と呼ばれようになった中国。
最近ではiPodやi phoneといった電子機器大手メーカー製品まで偽物が作られるようになり、問題となっています。
そんな中国で、ここ10年程問題となっているのが自動車補修用部品です。
アクセサリーパーツやチューニングパーツの偽物は、以前から多かったですが、ここ10年程で増えてきているのが
大手自動車メーカー 純正部品の偽物です。
中国では富裕層の増加に伴い、欧州製高級車の輸入が急速に増えました。
それらの車は部品も高額であるため、補修需要を狙ってコピー部品が生産されるようになったのです。そして大量生産されたそれらの部品は、中国国内のみならずアメリカ、そして日本にも輸出されているというのが現状です。
近年、整備工場やディーラーでは、ヤフオクやネット通販等で買ったという部品の持ち込み修理依頼が多いが、それらの部品の不良品率が異様に高いとのこと。
昔のクルマ屋さんは、よそで買ってきた部品の取り付け、いわゆる持ち込み等は、断られるケースが多く、あまり受け付けてくれなかったよね??
それは信用できないものに触れない職人の意地でもあったし、だからこそ信頼できた。
けれど最近ではなかなかそういう商売が出来ない。ネットオークションがここまで浸透し、誰もが安いパーツを簡単に入手できるようになったから。
そのネットオークションではコピー品も多く出回っています。
実際、整備工場がお客さんの持ち込んだ部品を取り付けてみたら、まともに動作しなくて直らなかったり、寸法が合わなくて取り付けに大幅な加工が必要だったりして、お客さんとトラブルになるケースが増えているそうです。
部品の多くは明らかに中国製とわかるノーブランド品ですが、中には「BOSCH」や「LEMFORDER」等の大手メーカーOEM品もあります。
そして、それら大手OEMメーカーの偽物が多く出回っているのが現状です。
メルセデスにはDASという車両診断機がありますが、これはかつて純正品だと 700万円も! しました。
でもすぐに、それとまったく同じ機能を持つ台湾製のコピー品が70万円で販売されたんです。
さらにその後出てきた中国製は、なんと3〜4万円(^^;
中国製部品の中には、無地の箱に入ったノーブランドの製品もかなり多く見受けられ、特に北米市場ではこうした中国製部品が急速にシェアを拡げているという事です。それら非正規部品が純正のと遜色ない品質であればともかく、問題は不良品率が非常に高い事。足回り部品ですと短期間で劣化し、異音が出るといった事例がありますし、エンジン関係ではやはり正常な動作が行われず、エラーが出るといったトラブルが多いようです。
難しいのは、大手メーカー品の偽物が少なくとも外観上ではかなり精工に出来ているため、見た目で見抜くことがほぼムリということ。
使ってみて短期間で壊れ、その段階でようやくわかったというケースも多い。
そのため、自動車部品メーカーの大手、BOSCHは対策として、昨年新たな偽造防止技術を開発しました。
https://bosch.io/ja/resources/blog/secure-product-fingerprint-announcement-2/
人工指紋という、複製が困難なQRコードの一種です。
人工指紋は標準のQRコードをベースに、マイクロパターンを埋め込み、セキュリティが強化されています。
強化QRコードは理論的にはコピーできますが、そのために必要な装置の費用が100万ユーロを超えるので経済的に実現不能です。
人工指紋はQRコードのコピー問題を緩和し、さらに製造コストが安いというメリットがあります。
メーカーが人工指紋を利用するには、データベースに事前登録されている強化QRコードラベルを注文して、これを製品に貼り付け、クラウドのバックエンドサービスにリンクするだけで完了します。
製品を購入した顧客は、スマートフォンでコードをスキャンするだけで、それが正規品なのかどうか簡単にすぐ確認できます。
スマートフォンのカメラはマイクロパターンを取り込めるので、検証するのに特別な機器は必要ありません。
専用のスマートフォンアプリを使用したり、WeChat経由で認証したり、標準のQRコードスキャナを使うこともできます。スキャンをすると製品検証のためのウェブページにリダイレクトされます。
画像は最近買ったサーモスタット。
これもOEMにするかどうか悩んだ末、純正にしました(^^;
ちなみに、例え中国製でない社外OEM品でも、必ず見えないところでコストダウンされているため、重要な部分のパーツを選ぶ際は、やはり純正部品が最も無難な選択になります。
何故なら純正品はディーラー等からのフィードバックで改良されていることが多いから。
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